さゆりのエッセイ B

いつも「星さゆりのイベント」を取材し、掲載してくださる地元紙「湖畔時報」
の担当の方からメールをいただきました。
様々な方面で活動している人を紹介する「ひろば」というコーナーに
寄稿してほしいという内容でした。
紹介してもらうならいいけど、自分で書くとなるとちょっと抵抗がありましたが、
こんな機会もそうそうないかも・・・と思い直し寄稿することにしました。


『 歌手の星さゆりでございます 』

コンサートはいつも、このことばで始まります。

 先日、五城館で『大人のための絵本朗読と歌の会』を開催した時も、そうでした。

そもそも、私は本物の歌手ではありません。

 それなのに勝手に芸名を名乗って、福祉施設や病院や学校などで歌手のふりをして歌ってきました。
 歌だけでなく、八郎潟町の路上ミュージカルに出演したり、図書館や学校で本の朗読をしたりしてきました。
 しかも、「ニューヨークからヘリコプターで来ました」とか、「紅白出場のオファーをもらいました」
 などテキトーなことを言って会場が盛り上がると、一層調子にのってしまって…。
 思いっきりパフォーマンスをすると、ストレス解消になってとても気持ちがいいのです。

こんな自己満足の世界だったのですが、ある施設で気がつきました。

 多くのお年寄りが大笑いのあと泣いているのです。
 先日の五城館でも、ホールいっぱいのお客様がドッと沸いたあと、私の人生話や人生の歌に涙をぬぐっているのです。
 こんな私でも、語りや歌で人々の心を動かすことができたのでしょうか。

私には、多くの方々に支えていただいた恩があります。

 できることなら、私のパフォーマンスで地域の皆様に恩返ししたい、と思うようになりました。
 五城館公演をファイナルコンサートにしよう、という決意が揺らいでいます。